不動産売買の基礎知識!売却方法と買取のメリット・デメリット

所有する不動産を初めて売却するとき、その進め方を具体的にイメージできる方は、普段から不動産業にかかわっている人を除いてほとんどいないでしょう。人生のうちで不動産売買を行う機会は限られており、一連の流れをパッと想像しづらいからです。不動産売買と聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、イメージができてしまえば意外と簡単です。今回は、不動産売買の進め方、またその中でも売却の方法や流れ、費用について解説します。

まず、売却価格と売却時期を検討する

不動産の売却でまずやるべきことは、売却価格や売却時期を検討することです。これらをイメージしないと、知らず知らずのうちに仲介会社の言う通りになってしまう可能性があるからです。あなたが不動産を売りたいと思い始めたきっかけや理由はなんですか?それによって適切な売り値や時期は変わってきます。
結婚や出産など家族構成の変化や転勤等、単純な住み替えが理由の場合には、住み替える家と住み替えの時期がポイントです。売却価格は、現在住んでいる家のローンの有無や新しい家の価格によって変わります。売却時期は、出産であれば出産時期、転勤であれば転勤する時期を目安に可能な限り前倒しで売却時期を設定した方がいいでしょう。
離婚が理由なら、パートナーと話し合った上で離婚後の財産分与もふまえた価格や時期を検討します。相続の場合であれば、相続割合や相続税との兼ね合いもあるので、弁護士や税理士等の専門家に相談しながら設定しましょう。
売買価格によっては賃貸物件として家賃収入を得る、売却時期を早めたいのであれば不動産会社による買取などの方法もあります。早めにイメージができると有利に売却を進めることができます。売却理由に基づいた適切な価格・時期をまず検討しましょう。

不動産売買における仲介・買取とその流れ

不動産を売却する際、不動産会社に仲介を依頼し、買い手を探してもらうのが一般的ですが、場合によっては不動産会社に直接買い取りを依頼することも可能です。仲介と買取それぞれの流れを解説します。

不動産会社に仲介を依頼するケース

不動産会社に仲介を依頼する場合、まず仲介会社に問い合わせ、物件の査定をしてもらうところから始まります。査定結果に納得がいかない、営業担当者との相性が悪い場合などは、その会社とは契約しないでおきましょう。特に問題がなければ媒介契約を結んで買い手を探してもらいます。条件が合う買い手が見つかれば、売買契約を結び、物件の引き渡しという流れになります。仲介は広く買い手を募集できるため、買い手によっては相場よりも高い金額で売却できるときもあります。買い手を集めることに長けている会社の方が高額で売却できるため、会社を選ぶときは、そのあたりの実績もチェックするといいでしょう。

不動産会社に直接買取を依頼するケース

買取とは、不動産会社に直接物件を買い取ってもらうことです。買取をする不動産会社は、例えば、建売を手がけている土地開発事業者(デベロッパー)、転売を専門にしている会社等が該当します。買取の流れはシンプルです。会社に買取金額を査定してもらい、納得できれば直接売買契約を結びます。そして、代金決済とともに不動産の引き渡しをすれば完了です。

仲介と買取ではここが違う

仲介と売却には、大きく3つの違いがあります。メリットとデメリットではなく、あくまで取引上の相違点です。

買い手が違う

仲介の場合、買い手はその多くが個人ですが、買取では専門の不動産会社です。例えば、前述のデベロッパーや、リノベーション等の付加価値を高めて転売する企業など。これらの会社の目的は収益を得るために転売することです。仲介でも不動産会社をはじめ法人が買うことがありますが、きわめて大きな土地であるなど、一部の例外を除いては個人が買い手となる場合が多いでしょう。

売却までにかかる期間が違う

売却までにかかる期間は仲介の方が長く、買取の方が短くなるのが一般的です。仲介では、前述の通り個人への売却がメインになるためやり取りも多く、ローン審査等の手続きも必要なため、売却までに時間を要します。それに対して、買取は不動産会社と直接取引するため手続きがスムーズで、期間も短くなることが多いです。不動産会社はローンを使わずに現金で一括購入するケースも多く、その場合はさらに売却までの期間が短くなります。

売却価格が違う

売却価格は、仲介の方が高く、買取の方が安くなることが多いです。もちろん物件にもよりますが、仲介では幅広く買い手を募集できるため、物件の価値を認めてくれる買い手が見つかれば、相場よりも高く売却できることがあります。一方買取の場合、売却相手である不動産会社にとって、物件の購入は仕入れに当たります。将来の収益のため、できるだけ安く買おうとするので、仲介と比較すると買取金額が低くなるのは仕方ありません。ただし、資産価値が上がっているエリアの物件で、面積が広い、地型(土地の形)が良いなどの好条件がそろっていれば、買取でも高額で取引できることもあります。

不動産売買を買取で行う場合のメリット・デメリット

前述の通り、買取には仲介と比較して異なる点があります。ここでは、改めてメリット・デメリットに分けて紹介します。買取を検討している人は、参考にしてください。

メリット

仲介手数料がかからない

買取の一番のメリットは、直接取引なので仲介手数料がかからない点です。買取は、仲介よりも売却価格が下がるといわれますが、仮に仲介の方が少し高い価格で売却できるとしても、手数料を差し引くと買取の方が高くなるケースもあります。必ず手数料も含めた金額で比較しましょう。

早く現金化できる

買取のもう一つの大きなメリットに、売却までの期間が短く、早期に現金化できる点があります。買取会社は法人であり高い資金力を持つため、融資否決で買取ができないケースはあまりありません。現金で買取を行う場合にはさらに決済スピードが速くなるので、よりすばやくお金に換えられます。

設備の修復や契約不適合責任が免除される

買取会社は、物件を買ったときの状態そのままで活用することはほとんどありません。リノベーションや再建築をした上で売却または賃貸物件として収益化します。このため、物件の状態はあまり重要ではなく、既存設備の修復や契約不適合責任が免除となるケースがほとんどです。仲介で個人へ売却した場合は、売却後に不備や不具合が見つかれば責任が問われます。トラブルになる可能性を考えると、この点もメリットと言えるでしょう。

内覧が不要

物件にもよりますが、買取では内覧が不要な場合があります。仲介では内覧なしで物件を決めるケースはほぼありませんが、買取では不要ということも多いです。買取で価格が低い原因でもありますが、これも早期売却につながり、メリットの一つに挙げられます。

デメリット

売却価格が低くなる

これまで何度も述べてきたように、買取の一番のデメリットは売却価格がどうしても安くなる点です。とにかく早く現金化したいという方には買取が適していますが、多少時間をかけてでも希望の額で売却したいという方は、仲介の方がいいでしょう。

買取されないケースもある

買取会社は基本的に、今後収益化できる見込みが薄そうな物件を買い取ることはしません。つまり、物件によっては買取されないリスクがあるというデメリットがあります。仲介の場合は、物件に魅力を感じてくれる買い手を広く募集するため、いずれ買い手が見つかることが多いですが、買取ではその点シビアに判断されます。もちろん、会社によって判断基準は異なります。複数社に当たってみて、それでも買取が無理なのであれば、あきらめて仲介に切り替えてしまう方がいいでしょう。

買取のメリット・デメリットを理解しよう

今回は、不動産売買での仲介と買取について、売却までの流れやそれぞれの違いについて解説しました。仲介と買取でそれぞれにメリットとデメリットがありますが、物件の特性や売主の事情に応じて使い分けるのがベストです。住み替えや相続などで、不動産の売却を検討している人は、ぜひ今回の内容を参考にしてください。

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