投資用マンションが高く売れるのはいつ?売却のコツを紹介!

投資用マンションは、運用期間中にいくら利益が出ていたとしても、出口戦略(売却)に失敗すると大きな損をしてしまうことがあります。そのため、売却のタイミングは非常に重要です。売却価格や売却にかかる期間だけでなく、税率も大きく変わってきます。少しでも多くの利益を出せるように、投資用マンションの売却はいつがいいのか、高く売れる時期やコツをご紹介します。

投資用マンションを売却する際のチェックポイント

投資用マンションを売却する際に、チェックするべきポイントを解説します。

これまでの家賃収入累計と売却額が購入金額を上回るか?

不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」が提供している『2021年4月~6月収益物件市場動向四半期レポート』(以下、健美家のレポート)によると、利回りは、2015年後半に7%台になってからは2021年6月まで大幅に推移することなく、7%台で維持されています。
2016年以降は利回りが大きく変わっていないことを踏まえると、購入金額と同じくらいの価格で売却できると考えられるので、これまでの家賃収入累計と売却価格を合計した金額が購入金額を上回る可能性が高いです。
地方では大きく価格が下がっているエリアもあるので地域によっては下回るケースも考えられますが、都市部の物件であれば売却しても利益を確保できるしょう。

相場は上昇傾向にあるか?

投資用マンションなどの不動産価格は、2021年8月に開催された東京オリンピック後に下落すると予想されていました。オリンピックに伴った投資が減り、これ以上は地価も上がらないことから、投資家が皆、売却に転じる可能性が高いというのが理由です。
しかし、健美家のレポートによると、成約件数は、大きく下落した2020年7~9月と比較すると2021年4~6月にかけて大きく改善されています。それに伴って物件価格は上昇しているので、現在は売却するのに適した時期だといえます。

デッドクロスはいつごろ来そうか?

不動産投資では、アパートローンの返済が進むと、経費にできる利息が減りアパートローンの元金返済が減価償却費を上回る「デッドクロス」になる時期が来ます。減価償却費とは、不動産など固定資産を購入した際に一括して経費計上せずに、耐用年数に応じて分割して計上する経費のことです。鉄筋コンクリート造や木造といった造りや築年数などに応じて計上できる期間は異なります。
投資用マンションの場合は鉄筋コンクリート造が多いので、融資期間や減価償却期間が長く、デッドクロスの到来は木造と比べると遅めです。デッドクロスになると帳簿上は利益が出ていることになり、課税される金額が増えるので資金繰りが悪化します。そのため、長期間保有していてデッドクロスを迎える物件がある場合は、そうなる前に売却を検討する必要があります。

投資用マンションを売却するべき具体的なタイミング

税金面や物件の状況から、投資用マンションを売却するべき具体的なタイミングについて解説します。

不動産の所有期間が5年以上過ぎた時点

投資用マンションは、利益が出ている場合は5年以上所有して売却するのが税金面では有利です。物件を売却した出た利益で課税所得に対する税率が決まるのですが、5年未満だと39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)、5年(1月1日を5回迎える数え方)以上の場合は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)と約20%も違ってきます。仮に、500万円の利益が出た場合は100万円の差になります。よって、“所有期間を5年以上過ぎた時点”は、売却を検討するべきタイミングとなります。

マンションの大規模改修前

大規模修繕を実施する場合、修繕積立金が不足していると修繕積立金の値上げや一時金を徴収されるケースがあります。大規模修繕は12~15年周期で行われ、修繕積立金の値上げは大規模修繕が計画される1~2年前に実施されることが多いです。修繕積立金の値上げについては購入者に伝えなければならず、売却にも影響が出ます。“近いうちに大規模修繕で修繕積立金の値上げが必要だと予想される場合”、も売却を検討するタイミングといえます。

築年数が20年を迎える前

投資用マンションについては、築年数が20年を超えると金利や融資期間などローンの融資条件が悪くなります。20年以内であれば融資期間35年でも組むことが可能であるのに対し、20年を超えていると15~25年と短くなります。購入者からすると毎月の返済が多くなるのでより高い利回りがないとメリットが少なくなります。そうなると買い手がつかず、物件の価格を下げざるを得ないので、投資用マンションの場合は、“築年数が20年を迎える前”も売却を検討するタイミングになります。

空室になったとき

空室になったときも売却を検討するべきタイミングです。投資用マンションというと投資家を相手に売却しなければならないイメージがありますが、空室のときは自分で住むために物件を購入したいという実需の顧客にも対象が広がるため、売却するチャンスともいえます。

空室状態が続きそうな場合

新築の投資マンションが増え続けており、エリアによってはマンションの空室率が高く、客付けが難しいケースもあります。空室になると原状回復のリフォーム費用がかかり、空室が長引けば、アパートローンの返済、毎月の管理費・修繕積立金、固定資産税などの支払いにも影響が出ます。同じマンションや周辺の空室率をチェックし、今後も“空室の状態が続きそうである場合”も、売却を検討するひとつのタイミングです。

引っ越しシーズンの半年前

不動産業界では、1~3月が繁忙期といわれ、物件の売買が非常に盛んな時期です。投資用マンションもやはり繁忙期の方が高い金額で売却できます。売却に3~6か月かかることを考えると、6~7月頃から売却を検討する必要があります。

投資用マンションの売却方法

マンションの売却方法は「仲介」と「買取」と「個人間売買」の3つです。
不動産会社に媒介契約を依頼して物件を売却する方法を仲介といいます。仲介の場合は、不動産会社がレインズ(Real Estate Information Network Systemの略。全国の不動産売買物件の情報が見られるコンピューターネットワークシステム)や自社のホームページなどに物件情報を掲載して販売活動をしてくれます。買取と比べると売却価格が高くなるメリットがありますが、時間がかかるのがデメリットです。
不動産会社に直接買い取ってもらう方法を買取といいます。買取の場合は、不動産会社の査定金額がそのまま買取価格となるのですぐに売却することができます。早く現金化できるというメリットがありますが、売却価格が仲介の7~8割と低くなるのがデメリットです。
最近では、売主と買主が直接交渉を行う個人間売買という方法もあります。個人間売買ができるサイトもありますが、トラブルも多く、日本ではまだあまり盛んではありません。ただ、仲介手数料がいらない分、とにかく利益を求めたい場合は有効な手段です。

投資用マンションの売却にかかる諸経費

投資用マンションの売却にあたってかかる費用は次の通りです。

仲介手数料

仲介手数料については、成約価格が400万円以上の場合は物件価格の3%+6万円+消費税です。これは上限なので交渉によっては仲介手数料を値引きしてもらえる場合もあります。ただ、不動産会社と気持ちよく取引した方が、早く高く売れるように力を入れてもらえるため、無理な値引き交渉はおすすめしません。

登記費用

所有権の移転登記や抵当権の抹消登記の費用が必要になります。価格は物件の評価によって変わります。

印紙税

売買契約書に添付する収入印紙代です。売却価格によって金額は変わります。

銀行の繰り上げ返済費用

投資用マンションを売却した場合、銀行の繰り上げ返済費用は売却価格の5~7%程度です。約1~3万円かかります。
※利益が出た場合は、別途所得税や住民税が必要です。

売却時期は、築年数などを見て総合的に判断を

投資用マンションの価値は、東京オリンピック後には大きく下がると予想されていましたが、今のところそういった様子は見られず、売却する時期としては悪くありません。しかし、売却するタイミングは、全体的な相場だけでなく、物件の築年数や大規模修繕の時期、購入所有期間などと併せて総合的に判断する必要があります。世の中の状況や所有しているマンションの動向など常にアンテナを張り巡らせ、戦略的に売却しましょう。

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