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専任媒介契約とは?他の契約との違いやメリットなどを解説

2021.12.27

不動産を売却したり、賃貸物件として借り手を探したりする際は、基本的には不動産会社に依頼することになります。このとき、媒介契約を結びますが、媒介契約には3つの種類があります。しかし、それぞれ似たような名前のため、違いがよくわからない方もいるでしょう。今回は、「専任媒介契約」の特徴や他の媒介契約との比較、専任媒介契約のメリット・デメリットを解説します。

専任媒介契約とは

専任媒介契約とは、簡単に言うと、1つの不動産会社だけに依頼する媒介契約です。専任媒介契約を結んでいる間は、他の不動産会社に依頼することができません。
不動産を売買する場合は、売主が買主を見つけるために、契約先の不動産仲介会社に依頼します。同様に、賃貸物件であれば、貸主が借り手を見つけるために、不動産会社に依頼します。
専任媒介契約では、自分で買い手を見つけて契約をすることが可能です(「自己発見取引」と言います)。例えば、親戚や知人に売却するケースなどです。
また、取り扱う不動産は不動産流通機構(レインズ)への登録を義務付けられており、媒介契約を締結した翌日から7日以内に登録しなければなりません。レインズに登録されると、宅建業者はレインズから発行される登録済証を、遅滞なく依頼者に引き渡さなければなりません。
また、仲介会社は専任媒介契約を結んだ依頼者に対して、2週間に1回以上、文書または電子メールで営業活動を報告することが義務付けられています。
専任媒介契約の有効期間は3ヵ月以内と定められています。有効期間が切れた場合は、依頼者が文書による申し出を行い、更新することができます。ただし、自動更新はできません。更新期間も3ヵ月以内となります。一方、専任媒介契約期間中であっても契約解除は可能です。国土交通省が定めた媒介契約約款では、不動産会社が義務を履行しない場合には、依頼者は相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がない場合には解除することができるとされています。
不動産会社が積極的に宣伝活動を行うことが可能で、売りにくい物件でも早く売却できる可能性があります。また、1社のみとの契約なので、不動産会社によってさまざまなサービスを受けられる場合があります。例えば、ハウスクリーニングやホームインスペクション、買取保証などです。
ホームインスペクションとは、住宅の専門家が建物の構造上の主要な部分や雨水の浸入を防止する部分などについて、劣化や欠陥の有無などを調査することです。「既存住宅状況調査技術者講習」を修了した建築士などが行います。
ただし、途中で解除した場合は、契約に要した現地調査費用、販売・広告活動費用などを請求される可能性があります。

一般媒介契約、専属専任媒介契約との違い

媒介契約には、専任媒介契約の他に、「一般媒介契約」、「専属専任媒介契約」があります。それぞれの違いを見てみましょう。

一般媒介契約

複数の不動産会社に同時に依頼することができる媒介契約です。自分で買い手を見つけて契約をする、自己発見取引が可能です。
レインズへの登録や営業活動の報告は任意です。多くの方に物件を見てもらうことができるので、売却できる可能性が高くなります。有効期間の制限もありません。
ただし、複数の不動産会社に依頼するので、ある不動産会社が何か物件を売り出そうとしても、他社が先にこの物件の買い手を見つけることもあります。したがって、宣伝活動に対して消極的になりがちです。

専属専任媒介契約

1社の不動産会社のみに依頼する媒介契約です。他の2つの契約とは異なり、自己発見取引はできません。
レインズへの登録を義務付けられており、媒介契約を締結した翌日から5日以内に登録しなければなりません。専属専任媒介契約を結んだ依頼者に対して、1週間に1回以上文書または電子メールによる営業活動の報告が義務付けられています。
専属専任媒介契約の有効期間は3ヵ月以内と定められています。有効期間が切れた場合は、依頼者が申し出を行い、文書により更新することができます。ただし、自動更新はできません。更新期間も3ヵ月以内となります。
専任媒介契約と同様に、不動産会社独自のサービスが受けられることもあります。

専任媒介契約のメリット

専任媒介契約で売買活動を行うメリットは次の通りです。

不動産会社が積極的に販売活動を行う

1社のみとの契約なので、不動産会社が積極的に販売・宣伝を行ってくれます。成約となれば、不動産会社は仲介手数料を受け取ることができます。すなわち、多少のコストをかけても売り上げにつながる可能性があるため、熱心な営業活動が期待できます。

独自のサービスが受けられる

専任媒介契約を結んだ際には、さまざまなサービスを受けられる場合があります。例えば、ハウスクリーニングやホームインスペクションなどです。物件が魅力的に見えるよう、プロカメラマンによる撮影を行っている会社もあります。

自己発見取引では仲介手数料が不要になる

自己発見取引で買い手を見つけることができるので、もし買い手が見つかれば、仲介手数料がかかりません。

専任媒介契約のデメリット

一方、専任媒介契約にはデメリットもあります。

囲い込みのリスクがある

「囲い込み」とは、売主から依頼された物件を他の不動産会社に取り扱わせないようにすることです。専任媒介契約では、前述の通り、媒介契約を締結した翌日から7日以内にレインズに登録しなければなりません。登録中に他社からの購入希望者がいると、「すでに申込みが入っています」などと、虚偽の報告をする可能性があります。
このような行為を囲い込みと言い、不動産会社が売り手と買い手の両方から仲介手数料を受け取る目的で行われます。囲い込みがあった際は、売却に時間がかかり、販売活動が長期化する可能性があります。そのため、退去や引っ越しの予定が立てにくくなります。

周囲に知られる可能性がある

専任媒介契約では、レインズへの登録義務があるので、家を売りに出していることを周囲に知られる場合があります。一般媒介契約では、レインズに登録する義務がありません。

専任媒介契約の注意点

専任媒介契約における注意点を紹介します。

きちんとした不動産会社を選ぶ

不動産会社から上手に売るためのアドバイスがない、販売活動を熱心に行ってもらえないなど、対応がよくなければ、いつまで経っても売却できません。専任媒介契約を依頼する際は、取引実績や口コミ、実際に店に行きスタッフの対応などをよく観察し、複数社を検討した上で、慎重に決めましょう。

自己発見取引では買い手を見極める

専任媒介契約では自己発見取引が可能ですが、知識がないまま自ら買い手を見つけると、急にキャンセルされたり、お金が払えないなどと、トラブルに発展したりするケースもあります。自己発見取引を行う際は、買い手の見極めが重要です。

不動産会社選びは慎重に

今回は、専任媒介契約の特徴や他の媒介契約との比較、専任媒介契約のメリット・デメリットを解説しました。
専任媒介では、1社のみとの契約なので、積極的に販売活動を行ってもらえます。また、ハウスクリーニングやホームインスペクション、買取保証など、独自のサービスを提供している不動産会社もあります。なるべく早く売りたい、複数社とのやり取りが面倒といった方は、専任媒介契約がおすすめです。
専任媒介契約を結ぶ際は、実績だけで安易に判断せず、必ず複数社の対応を比較し、信頼できそうな不動産会社に依頼しましょう。

監修齋藤祥⽂

株式会社住宅⼯営/株式会社GLOBALKOEI 代表取締役 資格:不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引⼠・賃貸不動産経営管理⼠

1981年⽣まれ、東京都出⾝。元⾼校球児。デザイン経営で創業50年の不動産会社を改⾰し、「暮らしを、design」する不動産会社として突き抜ける。明⽇が楽しみで〝たまんない″世界へ。

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