令和6年4月に相続登記の申請が義務化されることについて徹底解説【2022年2月版】

相続登記のイメージ画像

親が亡くなった際に、不動産(土地)を相続した際に、名義人を親から子(相続人)に変更する登記を相続登記といいます。この相続登記の義務化は令和6年4月1日に施工されます。この義務化は、施行日前に相続の開始があった場合についても適用されます(遡及適用)。多くの人が該当しますので、この記事を読んで概要をしっかり理解しましょう。

どうして相続登記が義務化されるの?

相続が発生していたら登記されているもの。と思いこんでいますよね。しかしこれまでは

  1. 相続登記の申請は任意であり、申請をしなくても相続人に不利益を被ることが少なかった
    2.相続した土地の価値が低く売却が困難であるため、費用や手間をかけて申請をしなかった

上記のことからこれまで相続登記が進まず、平成29年の国土交通省の調査では全国の所有者不明の土地は九州本島の大きさに匹敵するほどの量があり、今後高年齢化が進み死亡者数が増加していくと、問題がますます深刻になっていくことを懸念しています。土地の所有者の探索に多大な時間と費用が必要となり、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まず、民間取引や土地の利活用の阻害要因となったり、土地が管理されず放置され、隣接する土地への悪影響が発生したりするなど、様々な問題が生じています。

https://www.mlit.go.jp/common/001237685.pdf 
(国土交通省の平成29年度土地に関する動向より引用)

相続登記の申請義務についてのルール

  • 相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない
  • 遺産分割の話し合いがまとまった場合には、不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記を申請しなければならない
  • 上記ともに正当な理由がないのに義務に違反した場合、10万円以下の過料の適用対象となります。 

とはいっても相続登記の申請って大変じゃないの?

相続における遺産分割協議
不動産を所有している方がなくなった場合、相続人の中で遺産分割協議がまとまるまでは、すべての相続人が法律で決められた持ち分の割合で、相続人が共有している状態となります。話し合いがまとまればもちろん良いのですが、争続とも呼ばれるように相続人間で揉め事のようになってしまい、なかなか協議が進まないケースも多くあります。
そんな中で、「相続登記は必ず行ってください‼」と言われてもできない場合がありますよね。そこで、より簡易に相続登記の申請義務を履行することができるようにする仕組みが新たに設けられました。

新設された「相続人申告登記」ってどういうこと?

法務局で、「私(たち)がこの不動産の相続人です」と申し出て登記してもらう制度です。この相続人申告登記の申し出がされると、話し合いがまとまらず登記ができない場合でも過料を一時的に免れることができます。

  1. 登記簿上の所有者について相続が開始したことと
    2.自らがその相続人であることを登記官に申し出ること

相続人の一人が、相続人全員分をまとめて申し出ができます。ただし相続によって権利を取得したことまでは公示されないので、相続人申告登記は従来の相続登記とは全く異なるものです。ですので、遺産分割協議がまとまって、相続人が確定したらその日から3年以内の正式な相続登記を行う必要がある点は、よく覚えておいてください。

相続登記をしなかった場合にはなにか罰則があるの?

相続登記が義務化された後(令和6年4月1日以降)に、期限内の相続登記を完了しない場合には、「10万円以下の過料」が課される場合があります。過料とは「かりょう」と読みます。過料は行政上の秩序罰、科料は刑事罰という違いがありますので間違えないようにしましょう。過料、科料は両方とも金銭の納付を命じる罰則です。
ですので相続登記を期限内に行わなかった場合には、「10万円以下の納付を命じる行政上の秩序罰」が課されることになります。(過料は前科にはなりません。刑事罰である科料は前科がついてしまいます)

相続登記は具体的にはどうすればよいの?

  • 3年以内に遺産分割協議をして相続登記をする
  • 遺産分割協議がまとまらそうであれば、相続人全員の共有登記を行う
  • 相続人申告登記をする
  • 相続放棄をする

方法としてはいくつかありますが、話し合いがまとまるかどうか?が大きなポイントとなります。不動産を所有しているご両親などに遺言書を作ってもらうことも争いを避けることになります。昨今ではエンディングノートなども書店等で販売されていたりします。事前にきちんと調べておくこと、話し合いをしていくことが重要です。

住宅工営では、弁護士や司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などと連携しておりますので、不動産売却や、価格査定、土地の調査などご相談をお受けしておりますので、お気軽にご相談くださいませ。

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