一軒家とマンションの代表的なメリット・デメリット

マイホームを購入する際に、一軒家とマンションのどちらのほうがいいのかと悩む人は多いと思います。隣近所を気にせずに快適に過ごしたい、広い庭が欲しいという人は一軒家がいいでしょうし、都心の利便性が良い場所がいい、セキュリティーを重視するならマンションがいいでしょう。一軒家もマンションもそれぞれに特徴があり、自分たちの求める生活に合うのはどちらかをきちんと見極めて購入しないと後々後悔することにもなりかねません。この記事では、一軒家とマンションのそれぞれの利点や欠点について解説します。

一軒家(戸建て)を選ぶ際のメリット・デメリット

まず、一軒家(戸建て)を選ぶ際の代表的なメリット・デメリットには次のようなものがあります。

メリット

近隣住民との関係が生まれる

一軒家(戸建て)の場合は、共同のゴミステーションを利用するにあたって、通常町内会などの自治組織に入らなければなりません。しかしこれにより自然と町内の行事に参加するなどご近所付き合いする機会が増えます。マンションだと全く隣近所の人を知らないケースもありますが、一軒家だと近隣との関係が生まれるので、コミュニティーに入り、困ったときに相談に乗ってもらえたりします。

管理費、修繕積立金などの支払いがない

マンションでは、日常の清掃などに使う管理費や大規模修繕のために積み立てる修繕積立金といった維持費を毎月支払わないといけません。ファミリータイプのマンションだと最低でも1万円以上はかんかり、高いところだと4~5万えというところもあります。一軒家の場合はそういった費用が必要ありません。

駐車場代が不要

マンションだと敷地内でも家賃とは別に毎月の駐車場代が必要であり、最悪の場合、戸数分の駐車場が足りないというケースもあります。それに対し、地域にもよりますが、一軒家では大抵の場合敷地内に1~2台駐車できるスペースがあり、駐車場代も必要ありません。

デメリット

町内会への加入など、ご近所付き合いが発生する

一軒家の場合は、町内会等へ加入し、行事などへ参加しなければなりません。このような関係が苦手な方は不向きです。またご近所付き合いからトラブルが発生し、住みにくくなるケースもあります。

外壁や設備のリフォームなど、まとまった費用が必要になる

マンションのように管理費や修繕積立金はありませんが、将来の外壁や設備のリフォームをする際にはまとまった費用が必要です。そのため、リフォーム費用を個人的に積み立てたり、場合によっては借り入れするケースもあるでしょう。

セキュリティーに問題がある

一軒家の場合は、セキュリティー対策をしても一般的に侵入しやすい環境にあるので、防犯上はマンションと比較すると問題があると言えます。

マンションを選ぶ際のメリット・デメリット

次に、マンションを選んだ場合の良い点と悪い点です。

メリット

セキュリティー面で優れている

最近のマンションはほとんどオートロックがついており、防犯カメラが設置しているマンションもあります。エントランスには管理人室があるマンションも多く、人目も多いので一軒家と比べるとやはりセキュリティーは高いです。

共用部は管理会社が管理してくれる

国土交通省が行った平成30年マンション総合調査結果では、管理会社に管理事務を全て委託しているマンションが74.1%、一部を含めると93.2%のマンションが管理会社に業務を委託しています。管理会社が管理組合から委託され、電球交換や清掃を含む共用部の管理や大規模修繕の計画などを立ててくれるので、個人で費用を積み立てたり、庭の手入れをする必要はありません。

高齢者でも住みやすい

一軒家だと2階建て、3階建てが多いので、階段や段差があり、高齢者にとっては生活しやすいとは言えません。一方マンションは、高層階でもエレベーターで移動できます。最近ではバリアフリーのマンションも増えているので、一軒家からマンションに引っ越す高齢者が増えています。

デメリット

騒音などのトラブルが発生しやすい

マンションは、隣、上階、下階と他の住民が住んでおり、生活音や子供が走りまわるなど騒音がつきものです。他にも、隣の人がゴミ屋敷で悪臭がするといったケースもあり、隣人を選べないのでトラブルが起こりやすいと言えます。

近隣住民との関係が希薄になりやすい

マンションは町内会等がないので、同学年の子供がいるなど、何か接点がないと近所付き合いはほとんどありません。近隣住民との関係性が希薄になりがちです。

駐車場は別途契約が必要

専用使用権や駐車場権利付きのマンションもありますが、中には専用の駐車場がないマンションもあります。そのため、駐車場を使用する際には、別途契約が必要になり、毎月駐車場代を支払う必要があります。

一軒家やマンションの資産価値は、経年でどう変動する?

一軒家の場合は、建物+土地=資産価値となります。建物は、購入後に使用すると経年劣化で価値はどんどん下がっていきます。銀行などの評価では、木造建築の建物は20年程度経つと資産価値はゼロです。一方、土地は、そのエリアに商業施設ができるなど地価が上がれば土地の価値は上がります。築年数が経つと最後は土地の価値だけになります。

マンションの場合は、建物の価値(敷地権、土地持分も含む)がそのまま資産価値となります。基本的には、築年数が経てば、建物の価値は下がりますが、現在、首都圏など駅近や人気エリアの中古マンションの価格がどんどん上がっており、物件によっては築10年以上経っているのに新築時よりも上昇しているケースもあります。
反対に、駅からバスで15~20分といった利便性の悪い物件は売却したくてもなかなか売却できません。マンションを購入する場合は、資産価値が落ちないような立地の物件を選ぶことが重要です。

一軒家やマンションを購入するのにかかる費用は?

2019年の「フラット35」(住宅ローンの一つ)の利用調査では、土地付き注文住宅の全国平均購入価格が4,257万円、建売住宅が3,494万円、新築マンションが4,521万円、中古マンションは3,110万円となっています。実際の例を見てみましょう。

4000万円で一軒家を購入した場合の費用

新築の一軒家を買おうとすると購入価格は4,000万円程度、購入諸経費は5~10%程度かかります。
(住宅ローン4,000万円、ローン保証料2.2%、固定資産税評価は土地2000万円、建物1000万円と仮定)

  • 購入費用 4,000万円
  • 購入するための諸経費 合計 約281万円

(以下内訳)

  • 仲介手数料 136.6万円(3%+6万円+消費税)
  • 売買契約書の印紙代 1万円
  • 金銭消費貸借契約の印紙代 2万円
  • 登録免許税 37万円(土地の所有権移転 2,000万円×1.5%=30万円、建物1,000万円×0.3%=3万円、抵当権設定4,000万円×0.1%=4万円)
  • 司法書士費用 10万円
  • 保証料 88万円
  • 火災保険料 7万円

このケースでは一軒家を購入するための諸経費は約7%です。ランニングコストとしては、固定資産税・都市計画税のみですが毎年20万円程度とすると30年で600万円必要です。その他10~15年に一度外壁や室内のリフォームなどに500~1,000万円程度、30年だと2回することになるので1,000万~2,000万円が必要となります。

4500万円で新築マンションを購入した場合の費用

新築マンションを購入しようと思うと、購入価格は4,500万円、購入諸経費は3~5%程度かかります。
(住宅ローン4,500万円、ローン保証料2.2%、固定資産税評価は土地2000万円、建物2000万円と仮定)

  • 購入費用 4,500万円
  • 購入するための諸経費 合計 130.25万円

(以下内訳)

  • マンションデベロッパーから購入するので仲介手数料は不要
  • 売買契約書の印紙代 1万円 金銭消費貸借契約の印紙代 2万円
  • 登録免許税 11.25万円(所有権保存登記4,500万円×0.15%=6.75万円、抵当権設定4,500万×0.1%=4.5万円)
  • 司法書士費用 10万円
  • 保証料 99万円
  • 火災保険料 7万円

このケースでは新築マンションを購入するための諸経費は、2.89%となります。管理費、修繕積立金が毎月2万円とすると2万円×12か月=24万円、固定資産税が20万円とすると年間のランニングコストは44万円、30年住んだ場合は1320万円かかります。

まとめ

一軒家とマンションにはそれぞれ利点と欠点があります。ランニングコストを少なくしたい、近所付き合いを大事にしたいなら一軒家、セキュリティー重視や家の手入れに手を掛けたくないということであればマンションがいいでしょう。購入の場合は賃貸と違い、想像していたのと違うのですぐに引っ越すという訳にはいきません。物件選びは慎重に行う必要があります。それぞれの特性を十分理解し、ご自身のライフスタイルにあった物件を選びましょう。

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