契約前にちゃんと確認を!「リースバック」のよくあるトラブル

住宅ローンの支払いが厳しいので自宅を売却しないといけないけど、できれば、引っ越しはしたくないですよね。
そういったときにリースバックを活用すれば、売却後もそのまま自宅に住むことができます。
リースバックは、不動産会社に自宅を売却し、売却後にその不動産会社と賃貸借契約を結ぶことができるサービスです。
生活環境を変えずに自宅を売却して資金を得ることができ、買取りしてもらえるので周囲の人にも売却したことがわからないなどのメリットがあります。
しかし、買取価格は相場よりも低い、新たに家賃が発生するなどデメリットも多いです。
今回は、リースバックのよくあるトラブルと、リースバックの上手な活用方法をご紹介します。

リースバックって?

まずはリースバックとはどういったものなのか、簡単にご紹介します。
リースバックは、自宅を売却したいが引越ししたくないといった場合に、不動産会社に自宅を売却し、売却後にその不動産会社と賃貸借契約を結ぶことで売却後もそのまま自宅に住むことができる仕組みです。
契約する不動産会社によっては、一定期間であれば売却した自宅を買い戻しできる(買戻し特約)がつけられるケースもあります。
リースバックでは基本的に不動産会社に買取りしてもらうので、素早く資金化ができ、周囲の人に気づかれずに売却出来るのもメリットです。
他にも所有している際には必要だった固定資産税、建物の修繕費用などの費用がいらなくなる、住宅ローンの支払いが無くなるといったメリットもあります。

リースバックの活用例よくあるトラブル5例

リースバックは非常に便利なサービスですが、仕組みを理解していないと思わぬトラブルにあってしまうこともあります。
リースバックの活用でよくあるトラブル5つの例を紹介します。

相場よりも売却価格が大幅に安かった

リースバックでは不動産会社に自宅を買取りしてもらいます。
買取の場合、比較サイトも少ないので依頼した不動産会社のみ査定で売却してしまう人が多いです。
売主も早く売却しないといけないので焦ってしまい、相場よりも安く売却して後悔することになります。

賃貸契約が更新できなかった

リースバックにおける賃貸借契約は、不動産会社によっては買取り後の賃貸借契約が1年、2年など決まった期間で契約が満了される「定期借家契約」のケースもあります。
定期借家は更新がなく、そのまま住み続ける場合は双方が合意すれば再契約ができます。
売却後に自宅に住めるからとリースバックにしたのに、更新できずに退去しなければならないのでは本末転倒です。
賃貸契約を結ぶ前に内容をよく確認し、定期借家の場合は、契約期間や更新の可否などをチェックするようにしましょう。

リースバックを断られた

リースバックをするには、自宅を売却した資金で住宅ローンを返済することが条件となります。

売却価格が住宅ローンの残債よりも低い場合はリースバックを断られるケースがほとんどです。
リースバックをする前に一括査定等で売却価格を把握しておきましょう。

売却した不動産会社が倒産

リースバックをした後で売却した不動産会社が倒産することもあります。

そうなると、住んでいる自宅が競売にかけられて売却される可能性が高くなり、次の所有者次第ではそのまま住み続けることが出来ない可能性もあります。

リースバックを検討する場合、契約する前に買取してもらう不動産会社の会社規模なども確認しておくと良いでしょう。

家賃が払えなくなった

リースバックをした場合、家賃は相場と比較して割高になることが多くあります。

理由は、リースバックの家賃は、周辺相場を参考に決めるのではなく、物件の買取価格から計算されるためです。

リースバックで買取をしてもらうことで一時的に資金は増えますが、そもそもリースバックを活用するということは収入が減るなどして住宅ローンの支払いが厳しくなっているはずです。
リースバックを契約する前に家計の見直しを行い、売却価格と家賃のバランスが家計に対して適切か確認をしましょう。

トラブルを回避するための対策

5つのリースバックの失敗例を紹介しましたがきちんと対策を打つことでトラブルを避けることができます。
具体的に見ていきましょう。

リースバックの査定は複数社取る

以前はリースバックを取り扱う不動産会社はあまりありませんでしたが、ここ数年でリースバックの利用者が増えていることからリースバックを始める不動産会社も増えてきています。
ですので、リースバックを利用する際には複数社から査定を取ると良いでしょう。

査定を比較することで相場を把握することができるので、相場価格よりも安く売却してしまうトラブルを避けることに繋がります。

他の方法も比較して決める

売却後も自宅に住み続けたいのでリースバックを活用する人が多いと思いますが、他にもリバースモーゲージといった方法もあります。

リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資をしてもらう方法で、自宅に住みながら生活資金や老後資金を準備できます。
また、不動産を仲介で売却した場合、不動産会社に直接買い取りをしてもらうリースバックよりも売却価格が高くなることが期待できます。
売却後は引っ越しをしなければなりませんが、自己資金が多くなれば選択肢も広がります。

どのような方法がいいのか、複数の方法を比較して検討すると良いでしょう。迷ったら、不動産会社へ相談をするのもおすすめです。

契約内容をきちんと確認する

リースバックでは、売買契約と賃貸借契約の2種類の契約を行ないます。

売買契約では買取価格の正当性、買戻し特約、賃貸借契約では普通賃貸、定期借家契約など、契約する不動産会社によって契約内容は異なります。
一度契約してしまうと後から覆すことはできませんので、契約内容については契約前にきちんと確認しましょう。

結局、リースバックはどういう場合に使えばいい?

ここまでリースバックのトラブルや、対策を紹介しました。

すると今度気になるのは、「結局どういったケースで使えば良いか」ではないでしょうか。
自分のケースはリースバックが使えるのかと気になっている人も多いはずです。

ここからは、リースバックの活用方法の具体例を紹介します。

住宅ローンの返済が厳しくなってきた場合

リースバックの活用で多いのが、住宅ローンの支払いが厳しくなって売却するケースです。

住宅ローンは滞納が続くと最終的には競売に掛けられて強制に資産を処分されてしまいます。
競売で自宅が売却されると、自宅を退去しなければならないうえに、その後も住宅ローンの支払いが残るので債務整理や自己破産も検討しなければならないこともあります。

住宅ローンを返済できるのであれば、リースバックは非常に有効な手段です。
リースバックであれば、周囲に売却したことが知られないのでそれまでと変わらない生活を送ることができます。

事業資金を調達したい場合

リースバックでは売却して得たお金の使用用途は限定されていませんので、事業をしている場合は、リースバックを活用することで事業資金を調達することも可能です。

新規事業のための運転資金や新しい事業の開業資金としてリースバックを活用する例もあります。
事業が上手くいって資金が出来れば、将来的に買い戻すこともできます。

老後資金の確保や生前整理をしたい場合

毎月の給料だけでは老後のための貯金が出来ないといった人は、自宅を売却することで老後資金を確保することができます。

ほかにも、生前のうちに自宅を売却してお金に換え、自分が亡くなったときに自宅ではなく現金を相続させるために準備しておきたいという人もリースバックを活用できます。
特に売却後は引っ越しをすることなく、自分たちが亡くなるまでは自宅に住み続けることもできる点は、老後資金を調達したい人にとっても、相続の準備をしたい人にとっても大きなメリットでしょう。

まとまったお金を確保することで安心して生活することができ、資金に余裕ができたときは老後のために資産運用をして増やすなど選択肢を増やすこともできます。

競売を回避したい場合

自宅のローンを滞納して3か月以上経つと金融機関から自宅を差押えられて裁判所に競売の申立てが行われます。
裁判所に競売開始の決定が認められると所有者は何もすることができなくなってしまいます。

対策をするなら競売申立てから競売開始決定までの期間になるので時間との戦いです。
リースバックを使って動産会社に買取をしてもらえば即現金化できるので競売を回避することができます。

リースバックは契約内容の確認をしっかりしましょう。

いかがでしたか?
リースバックは売却後も自宅に住み続けられるので利用する人が増えている反面、通常の売却よりも内容が複雑で、確認しなければならないポイントも多くあります。

後々のトラブルを避けるために、事前に自分でも相場を調べたり、契約内容をよく確認することが大切です。

そうは言っても、家を売ること自体が一生のうちに何度もあるわけではありませんので、専門家ではない個人では分からないこともたくさんあります。
不動産売却で失敗しないために、不動産会社は信頼できる人を慎重に選びましょう。

リースバックや不動産売却のご相談は、住宅工営でも承っています。
売却に関する些細な疑問や質問でももちろん構いませんので、気軽にご連絡ください。

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